北海道で農業を仕事にするための求人・情報コンテンツ | 農キャリ北海道Style

お役立ちコラムColumn

企業紹介

「仕組み」と「笑顔」で牛の健康を守る牧場

冬が深まると、オホーツクの海には流氷がやってきます。
空の色が冴えて、息が白くなる季節。紋別は「流氷の町」と呼ばれるけれど、暮らしている人たちにとっては、きっとそれが日常の風景なのだと思います。

海があって、山があって、空港も近い。都市機能がありながら、酪農・畜産が土地の骨格になっている、そんな紋別にある牧場、株式会社えみんぐ
取材中、そこには終始笑いがありました。冗談が飛び、ツッコミが入り、それでも話が仕事の軸に戻ると、空気がすっと引き締まる。ああ、ここは「仲がいい」だけじゃなく、ちゃんと“回っている”場所なんだ。そう感じさせる現場でした。

ちなみに社名の「えみんぐ」は、【笑み+ing】。

「えみんぐ」に関わるすべての人の笑顔がつづくように、そんな願いから名づけられたといいます。

海のそばで暮らし、遊ぶ。紋別の日常と、休日の景色

「紋別の特徴?」と聞くと、まず返ってきたのはやっぱり…「流氷だね」と笑う声でした。

今回お話を聞かせてくださったのは、えみんぐを立ち上げた役員の2名。田村社長と久保さんがこの場を笑顔でいっぱいにしてくれました。

流氷以外にも、ホタテが美味しい、という話も出ましたが、住んでいると当たり前になってしまい魅力を言葉にするのは難しい…そう言いながらも、話題は少しずつ“紋別らしさ”へ広がっていきました。

たとえば、紋別の名所のひとつホワイトビーチ。白い砂を海外から運んでつくられた場所で、その時期ともなればビーチバレーをしている人たちもいるのだとか。
流氷タワー、流氷公園、流氷科学センター。科学センターでは、マイナス20度の体験もできるといいます。

スタッフの趣味の話になると、ウィンタースポーツをしている人が多い、釣りをしている人もいる、と自然の話が続きます。自然を相手にする仕事だからこそ、遊びもまた自然と隣り合っているのかもしれません。

210ha、搾乳牛600頭。預託も含め“約900頭”を支える規模

そんな自然のアクティビティが豊富なこのまちで、えみんぐの規模を表す数字は、まず「面積」から出てきました。面積は210ha。以前より増えた、と言います。

えみんぐの搾乳頭数は約600頭。一方で、預託牛なども含めた総飼養頭数で見ると、約900頭にもなります。

また、現場を語るうえで機械設備は大きな見どころです。
牛舎は3棟。搾乳ロボットは8台。餌押しは3台。AKD(糞押し)も3台。スラリーストアは2基。バンカーは5本。さらにショベル6台、トラクター9台、ミキサー、収穫機一式……。

たくさんの機械を使いながらも、えみんぐが大切にしているのは、とにかく「健康」。牛を大事にすることだと話します。

この“健康”は、気合いや根性の話ではありません。仕組みとして守っていくものです。
えみんぐでは、トラブルの管理や牛の健康管理をシステムで行い、異変を早めに見つけて対応につなげています。省力化にもつながる。つまり、牛のためであり、人のためでもある選択です。

そして、特徴的なのがマニュアル化です。日本語だけではなく、中国語にも対応しているとのこと。未経験者や外国人スタッフが入っても、仕事に入りやすい“入口”を整えているのです。

酪農は、属人的になりやすい仕事でもあります。誰かの経験と勘に頼りきると、休めない、引き継げない、育たない。
えみんぐは、そこに抗うように「見える化」し、「共有」し、「続けられる形」にしていく。牛の健康を守るために、働く人の健康も守る。そんな設計が、ここにはあります。

酪農の一年は、“毎日”と“季節”でできている

未経験の人にとって、酪農は「一年中同じことをしている」ようにも見えるかもしれません。けれど実際は、毎日のルーティンの上に、季節の波が重なります。

牛舎の中で働く人たちの仕事は、基本的に大きく変わりません。
搾乳はロボットが担うため、人の手で搾る作業はありません。その代わり、ロボットの管理や清掃、給餌、繁殖、診療対応などが日常の軸になります。

一方、繁忙期は畑作業が入ってきます。
5月に牧草の種まき。6月10日前後から収穫が始まり、7月20日を過ぎるとまた種まき。デントコーンは9月上旬。季節が進むにつれて、現場の景色も変わっていきます。

そして、もうひとつ年中切り離せないのが糞尿処理です。
スラリー散布は、草を刈った後の圃場に、液体状のたい肥(ふん尿)を撒く作業。牧草を撒いたら撒く、刈ったら撒く、土に返していく仕事です。
ただし冬は、雪の上に撒くことはできません。だから冬の間は貯蔵して、撒ける季節を待つ。酪農は“生きものの時間”であり、同時に“土地の時間”でもある。そんなことが、淡々と語られる言葉の端々から伝わってきました。

続けられるための福利厚生も手厚く

えみんぐスタッフは役員を除いて10名、合計13名の体制です。年齢層は20代が3名、30代が2名、40代が3名、50代が1名、60代1名。

農業未経験でスタートした人は約3割。移住者もいます。
「経験者しか無理」ではなく、「未経験でも入っていける」形をつくっている、それが先ほどのマニュアルや仕組みの話とつながっていきます。

職場の雰囲気は、とにかく明るい。取材中も笑いが絶えませんでした。
ただ、ふざけているわけではないのです。仕事の話になると、きちんと切り替わる。オンとオフのメリハリがある。だからこそ、この笑顔は“余裕”として成立しているのだと思います。

また、働く環境として、手当も整えています。
通勤手当、家族手当、住宅手当、冬期燃料手当。さらに企業DC(退職金制度)も導入しています。

社宅は世帯用があり、社用車も用意されています。
社員旅行はありませんが、夏は焼肉、冬は忘年会。仕事を回しながら、ちゃんと“楽しみ”もあります。

えみんぐでは、評価の仕組みも整えています。
自己評価を行い、役員評価、最終評価を経て、昇給や職格が決まる。スキルだけでなく、人間性(行動面)も評価に入れていきたい、そんなアップデートも進めています。

キャリアは、管理職と専門職のどちらを目指すかを選べる形です。
現場で積み上げていく道と、マネジメントとして支える道。酪農の仕事を「ただの作業」で終わらせず、“続けた先”を見せようとしているのが分かります。

教育は基本的にOJT。加えてWeb上の勉強会も活用しています。直近は哺育に関する内容が多かった、とも語られていました。現場の課題や関心に合わせて学びを取り入れていく姿勢が、日々の運営に根を張っています。

業界の受け皿でありたいという採用観

取材の終盤、採用についての話が印象的でした。
えみんぐが求めるのは、「ここにずっといなければいけない人」だけではありません。

「最終的に根付かなくてもいい。ステップアップのために飛び込んできてくれてもいいんだ」

この言葉は、簡単に言えるものではないと思います。人を採ることは、育てることでもあり、支えることでもあります。そこまでして“外へ送り出す可能性”も含めて採用するのは、会社が一社の都合だけを考えていないからです。酪農業界全体を見て、受け皿になりたい。そんな視点が、はっきりと語られていました。

だからこそ、合う人の輪郭も明確です。
みんなで何かを達成することに魅力を感じる人。好奇心旺盛で、飛び込める人。酪農は一人ではできない仕事だからこそ、チームで動くことを喜びにできる人が、きっとこの場所で伸びていきます。

紋別の冬は長く、海の表情も日によって変わります。
その中で、牛は今日も呼吸をしている。健康でいることが、当たり前ではない生きものたちと向き合う仕事です。

えみんぐが守っているのは、牛の健康だけではありません。
仕組みを整え、言葉を揃え、学びを回し、笑って働ける空気をつくる。そうやって、人が続けられる現場にしていく。
流氷のまちで、“ちゃんと働ける酪農”を探している人にとって。ここは、ひとつの現実的な選択肢になるはずです。

えみんぐが掲げているのは、「良い牛乳と笑顔をつなぐ」という想いです。

そして、その先に見据えるのは「開拓200年へ」という長い時間。

牛の健康を守ること、仕組みを整えること、笑って働ける空気をつくること。その一つひとつが、未来へつながっていました。

会社名:株式会社えみんぐ

住 所:〒099-5362 北海道紋別市上渚滑町奥東190番地の1